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草の根文化の苗床

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自分でやれ!

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「バイク・キッチン」というNPOのオルタナティブ自転車ショップがあるが、そこに壊れた自転車を持ち込んでも、原則として、修理してくれない。その代わりに、修理の仕方を教えるというサービスを提供するのである。「自転車乗りなら自分でやれ!」というわけだ。かくしてそのショップを出るときには、自分の乗り物の世話も自分でみれないまま、業者にべったり依存する消費者気質を助長させる代わりに、少なくとも、自転車に関する限り、自分で自分の面倒が見られる領域が広がって、すっかりエンパワーされる可能性がある。

それだけではない。自転車の修理の仕方を他の人に教えることで、同じように自立した人を増やすこともできる。
ものや知識が独占されることで、お金儲け、ひどい場合は不当な搾取の道具となることで、資本主義がまわっている。独占する方もよろしくないのは確か。でも、すっかり業者に「おまかせ」体質の人たちが加担し、支えてあげているからこそ、そんなこともできる。かくいうわたしも機械は苦手。マニュアルを読むのもおっくうなのだけど。おかげでずいぶん企業にお金をつぎこんできたなって思う。

資本主義は、専門技能の独占、生産手段の独占、希少性をテコにまわってる。「あれもない、これもない」「あれもできない、これもできない」といった欠如感をお金で埋め合わせる無力と表裏一体ですすむものだ。

これに対してナウトピアンは、一つ一つ自分でできることを増やしながら、着々と自信をつけていく。そして自分の身に着けたことを人にも伝えることで、その感動、よろこびを、他の人と分かち合おうとする。愛情たっぷりにわかりやすく、かみくだいて伝えられた知識は、人から人へと伝播していくことが見こまれる。

自分の足で立つ人の数と、できることも、それにつれねずみ算式に増えていくだろう。とどまることをしらぬ膨張するところは、資本主義下の資本に似ているけど、ここで成長するのは、貨幣でなくて、あくまで人だ。自分でできることが増えるにつれ、自信がつき、安心も増す。モノと違って知識技能は、そもそも、いくら与えても減るもんじゃない。それをモノのように独占して力の道具にしようなんてケチなことはやめよう。与えれば与えるほど、自分の力も増すし、よろこびも増すことだし。何といっても人を助けるのは気持ちがいい。希少なものを独占する人が、無力感や欠如感にさいなまれる人を食い物にしてすすむ資本主義の世界とはまさに真反対。ポジティブでゆたかな世界の勢力が、地に満ちていく。菌類たちとのように!
by makikohorita | 2016-07-27 07:34 | ナウトピアへ 英語版スケッチ
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人を、社会を動かす文化発信力を鍛えるには? スピリチュアリティ、アート、アクティビズムなどについて、調査、実践してわかったこと、日々思うこと。


by 堀田 真紀子
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